地方移住して、購入した中古物件を住みやすく快適なマイホームへリフォーム
★施工ストーリー★
全面改修工事、屋根葺き替え工事、外壁等塗装工事
豊後大野市 Y様邸 2020年施工
大分本店(にじが丘ショールーム)にY様より、古民家を購入してリフォームしたいので、見に来てほしいとご相談いただきました。
早速当社代表の小原、工務部長の上原、プランナーの東本が調査に伺いました。Y様はもともと、大企業に勤められており、都市にお住まいでした。しかし、6年ほど前にお子さんがのびのびとできる環境で暮らしたいという思いから地方への移住を決意し、奥様の地元である大分県に移住されたそうです。行政の農業支援を受け、未経験ながら就農されました。
Y様はご家族で同じエリアの戸建ての賃貸に住まわれておりましたが、そろそろマイホームを手に入れたいと検討しているとのことでした。 Y様が購入を検討している古民家は、隣家との距離が適度にあるのどかな山沿いの木造の平屋でした。建物の他に納屋・倉庫、さらに近隣の畑もついてくるという好条件な物件で、農業を仕事にし、家族と暮らすのに理想的と言えました。新築はあまり考えておらず、中古物件を探していたところ、お知り合いからこの物件を紹介してもらったそうです。
まだ契約されておりませんでしたが、費用的にも立地や子育ての観点からも前向きに検討されておりました。しかし、古民家のため、そのまま住むには使い勝手が悪いと感じているので、どのようなリフォームが必要か、そもそも購入に値する建物なのかも含め、相談したいというご相談でした。
建物本体は、最近建てられる日本の気候を無視した勾配のない屋根、比熱の低い建材を使った新築よりはるかにしっかりとした造りで、リフォームすれば快適に住めると判断致しました。確かに、Y様が気にされていた水廻りは築年数に応じた劣化・つくりでそのまま使用するには不便ではありましたが、リフォームで使い勝手の良い新しい機器を入れることができるので問題ありません。
しかし、家の構造に根本的な欠陥がある場合はリフォームではカバーしきれないことが多くあるので、購入の際に見極める必要があります。
例えば、
●集中豪雨等、毎年のように災害がおきている降水量の多い日本では、いかに雨仕舞いをするか考えなければなりません。防水の工法をどうしよう・・・など難しく考えるのではなく、シンプルに三角屋根の勾配をしっかりと取った屋根構造にすれば、それだけで、雨漏りのリスクは減ります。(屋根勾配の詳しいお話はこちら→①・②)
しかし、屋根勾配のない家を構造からリフォームしようとすると大掛かりな工事になり、費用対効果の面でも非現実的です。
●湿度も高い日本では、季節・昼夜の気温の変化に対応し、湿度調整してくれる家づくりを考える必要があります。
近年新築の大多数で採用されているサイディングの外壁材やガルバリウム鋼板の外装材は、比熱が低く、外気の熱・太陽からの熱を受けるとすぐに温度が上昇します。比熱が低いと昼に温度が上昇し、夜にはまた温度が下がります。その繰り替えしを夜ごと、季節ごとに繰り返すことで建材を傷めるだけでなく、壁内や天井裏に結露が生じることとなります。(調湿作用について→①・②)
Y様が検討されているお宅は、シンプルな切妻屋根で勾配もきちんとれていました。築年数は約55年ほどで古いものの、外壁はモルタル壁で比較的比熱が高い仕様となっており、屋根はセメント瓦の和型で、天井裏の通気も確保できるつくりになっていました。Y様には、建物に致命的な問題はなく構造的にも問題がないことをお伝えし、リフォームすれば十分快適に過ごせるだろうとお話しさせていただきました。
Y様も購入の意思を固め、購入する流れとなりました。購入に伴い、使いづらい間取りや水廻り・サッシ廻りのリフォームも合わせてお見積もり・ご提案させていただきました。
当社の住宅に対する考えや、プラン内容・お見積もり内容にご納得いただき、工事の発注をいただきました。着工までの期間に細かい色などの内容を決め、引き渡しを新学期に間に合うよう、段取りをしていきました。
都会でバリバリ働く人生ももちろんあります。時代の最先端を行く仕事をしたい人にとっては都会の方が魅力的かもしれません。しかし、何をもって幸せを感じるかという価値観は人それぞれであり、働き方・住む場所など生活スタイルの選択肢は多様化しています。田舎に住むことや農業を生業にすることは、これから多くの人にとっての選択肢の一つとなるのではないでしょうか。
さらに、withコロナの時代に向け、働き方そのものが変わりつつあり、通勤せずとも仕事が出来る時代に向かっています。今の仕事を続けながら田舎に住むという選択肢もあるのです。
当社では、以前から個別に不動産のご相談の対応をしておりましたが、ご相談の増加に伴い、今年から不動産事業を本格的に始めました。都市から大分への移住を希望する方に田舎暮らしのご提案をさせていただきます。中古物件を探すお手伝いや、お買い得かどうかのアドバイス、購入後のリフォームまで一手にお請けすることができます。ご自分やご家族にとっての「理想の田舎暮らし」をじっくりと探してみませんか?
また、田舎の実家やご自宅を手放したいという方のご相談もお待ちしております。
内部改修工事
まずは3つのプランを提案させていただきました。
●間取りを一新、断熱工事をしてほぼ全体をスケルトンリフォームするプラン
●既存の間取りを一部残し、広いLDKを確保するプラン
●既存の間取りをそのままに、水廻りと内装を新しくするプラン
打ち合わせを重ね、既存の間取りを一部残し、LDKと水廻りを一新するプランでまとまりました。
施工前
施工中★解体
▲全ての壁は解体しませんでしたが、LDK等の天井、壁材をはがした部分は、耐震金具で柱や梁を補強し、断熱材を入れました
施工中★断熱材、補強材
工事中は、ご自宅から職人・スタッフに何度も差し入れをいただき、終始和やかな現場となりました。
工事期間にバレンタインがあったため、大工さんにお子さんと一緒に作ったお菓子までいただきました!いただいたお菓子を大工さんが東本に見せて自慢してきました(笑)
施工中★天井、壁、床作製
施工後★LDK
▲ご家族が生活されるLDKの壁は調湿効果のある珪藻土で仕上げました。天井はリーズナブルに自然な雰囲気を出せるシナベニヤを張りました。
廊下
浴室
トイレ
脱衣室
屋根葺き替え工事、外壁等塗装工事
外壁は塗装による保護が必要でした。屋根に関しては著しい雨漏りはなく、屋根の葺き替えがすぐに必要ということはありませんでした。しかし、既存のセメント瓦を使用し続けるには瓦自体の劣化が激しかったため、この先長く住まれるのであればこの機に陶器瓦に葺き替えてはどうかとお勧めしました。
工事中に変更の確認や、細かい高さや位置の確認も快く打ち合わせいただき、新学期前に工事を終えることが出来ました。
今後、お子さんの成長とともに生活スタイルも変わってくると思いますので、その際はまた快適に生活できるリフォームの提案をさせていただきます。今後とも何卒宜しくお願い致します!